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6月刊行予定の3冊目について

6月に3冊目を出す予定である。

表題は、新作短編のタイトルを使って「餓獣」。
幻想ホラー、だろうか。
まだ草稿が終わっていない。
最初は硬い文体だったのが、中盤でコミカルになってしまい、雰囲気に一貫性がない。
主人公の変化を書くために必要な部分だと思っているのだが。

ほかに、短編ふたつを用意している。
以前つんどく速報で紹介された「綾」と「地天の姫」を掲載する。
もちろん全面改稿である。
「地天の姫」は初期の作品なので、かなり改稿に歯ごたえがある。最近、こういうファンタジーを書いていない。
と言いつつ、今プロットを用意しているのは、マスコット風奇妙な動物の出てくる、ラノベの賞にも出せるような物語である。

閑話休題。

「綾」の改稿にはまだ手をつけていないが、熊本城の二の丸公園で月を見上げるシーンが出てくる。
今あるのはもう、主人公が見た熊本城ではない。

表紙もいつものようにコンペで募集している。
まだ締め切りまで時間があるけれども、今回はテーマが良くないのか集まりが悪い。
「地天の姫」や「綾」の表紙にすればもう少し集まるのだろうか。

ともあれ、毎月出せる作品があるのはいいことだ。
今のところ、7月までは確定している。
みなさん、お楽しみに。

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テーマ : 自作小説
ジャンル : 小説・文学

思い出は美しい。 夢枕獏「新・餓狼伝 巻ノ三」



僕が小学生のころから続いている格闘小説。そして、初めておもしろいと思った大人向けの小説である。

小説を書く者としては穏便に書いておきたいが、ファン歴25年の者として敢えて批判したい。

磯村露風と松尾象山の、バーでの子供っぽい会話は何か。松尾象山のイメージがぶち壊しである。
松尾象山は大好きだ。特にブラジル編は最高である。
飲みながらの会話は、餓狼伝にはよく出てくるが、土方元と丹波文七のいつ斬られるか判らないような緊張感はすごかった。すごい色のオレンジジュースにもド肝を抜かれた。

京野京介が、キンタマ切り落とされるのは必要なのか。
唐突で、しかもそのことが京野京介の強さの根源とはどうしても思えない。
エロス&バイオレンス全盛時のシーンが、サービス的に突然現れた感がある。
こちらも男なので、痛みを想像して心が動くけれども、葵左門がヒールホールドでバウンサーの膝を180度回転させたときの動揺とは比ぶべくもない。

合気を使ってボクシングで投げるというのは新機軸で興味深く、京野京介がこれをどんな殺し技に発展させるのか楽しみではあるけれども。

僕に小説の面白さを教えてくれた作品なので、最後まで付き合おうとは思う。こちらの感受性の問題かもしれないが、一抹の寂しさがある。



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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

オチはゆでガエルだと思っていた。 百田尚樹「カエルの楽園」



日本の安全保障環境、特に国内事情を題材にした寓話。

周知のことばかりではあるので刺激はないが、登場カエルであるデイブレイクと同じ立場の人がこの作品をどう見ているのか興味を持った。こことか。

だいたい、作者に対する人格攻撃ばかりで残念だった。日本国憲法九条の寓意である「三戒」がいかに安全保障上有効であり、侵略に対して話し合いは武力よりも安全・安価・確実であると具体的に提示するどころか、「三戒」派が勝利したこの物語の結末を否定するひとさえひとりもいなかった。

現実世界において、具体的な脅威に対して具体的な対策を提示しないかぎり、「三戒」派が多数派の地位を得られることはないだろう。もしかしたら、彼ら自身「三戒」を信じていないのかもしれない。



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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

親の立場でも子の立場でも号泣必至。 重松清「とんび」



「親が子どもにしてやらんといけんことは、たったひとつしかありゃあせんのよ」
「子どもに寂しい思いをさせるな」(405ページ)


アキラが小さい時には父親の視点で、大きくなってからは「こんなふうに親に心配かけたんだなあ」としみじみとした気持ちになった。

美佐子さんが亡くなった時の、和尚さんたちが海で背中を温めるシーンに号泣しそうになった。



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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

「ポワ」で解決。 井上夢人「ダレカガナカニイル……」



新興宗教の施設の警備に行った男の中に「何か」が入ってきて、奇妙な暮らしが始まり……というお話。

平成4年に初版が出たが、随所に時代を感じさせる単語「カウチ・ポテト」「とらばーゆ」が出てきて高校のときはそういう時代だったかなあと思った。 このときはまだナチュラルに「気違い」を連発していい時代だっただろうか。

それよりも、発売して2年後に地下鉄サリン事件が起きるのだが、もし時期が重なっていたら間違いなく日の目を見なかったと思われる。なにせ山梨の山奥に修行場があるし、「ポワ」が主要キャラの特技になっているのだから。

これは言うなれば「循環型小説」で、SFの部類に入れてもいいぐらいだが、このトリックを使って何か書いてみたいと思わせた。



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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

推敲について思うところあり。

4月に草稿が終わった260枚の作品を今推敲していて、今日第1回推敲が終わったところである。

推敲は7回するようにしている。名前は忘れたが若くして亡くなったある小説家がそうしていて、共感したので僕もやっている。

今作は推敲がとても楽だった。本来、推敲が楽ではいけないのだが、これには理由がある。

過去の作品を電子書籍化するために、全面改稿をやっていた。記念すべき初投稿作品は100枚程度の、父に立ち向かう息子の成長といった作品だったが、これのリライトにはえらく苦労した。

最初から最後までつまづきっぱなしのつっこみどころ満載で、ほとんどすべてのページが余白に書きこんだ赤字で埋まった。ちなみに推敲はプリントアウトして手書きでやっている。

いくら徹底的にやっても1回だけでは満足したものにならなかったが、2回めをやる気力が今は失せている。

原稿用紙1000枚ほど書いたぐらいのときの作品が電子書籍で出したオールド・スパイダーだが、これは初作品に比べればかなり楽だったものの、違和感のある部分はかなり多く、改稿に時間を要した。

今の長編は、初作品やオールド・スパイダーで推敲筋肉が鍛えられたためか、実に推敲が楽である。もちろん、どんなささいな違和感も逃さないように読んでいるのだが、そこまでやっても初作品の苦行のような推敲ほど苦労はしない。

書き始めのころは、違和感を感じ取れないか、あっても修正する能力がなかったのだと思う。

たぶん今の長編は、電子書籍4作目になると思う。みなさんお楽しみに。



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テーマ : 物書きのひとりごと
ジャンル : 小説・文学

オッサンも優しい気持ちになる青春小説。 野村美月「下読み男子と投稿女子」



嫌いな相手がいないということも、すべての作品を楽しめるということも、裏を返せば”特別”がないということだ。”執着”がないということだ。(ページ未詳)

ラノベ新人賞の下読みバイトをする男子高校生が、偶然クラスメートの作品を見つける。クールで無口な彼女とはあまりにもギャップがありすぎて――というところから始まる。

僕がラノベを読むのは珍しいが、久しぶりに誰も傷つかない話を読めて優しい気持ちになった。もし主人公たちと同世代のときに読んでいたら、自分の現状と比べてのたうちまわっていただろう。この歳になってようやく青春ストーリーを虚心に楽しめるようになったかと思う。

小説内の人物が小説内の出来事を「伏線」としてとらえ、それを「回収」することを意識しているのはおもしろいやり方だと思うし、ヒロインの小説内小説が現実と重なっていくクライマックスも盛り上がりとカタルシスがあった。

それに加えて、これは投稿指南小説でもある。あとがきでも著者は下読みの経験があることが示されていて、投稿された作品がどうやって選抜されていくかの内幕は真実に近いのだろう。

下読みが迷って2次審査に送ったものが、それ以上に行くことはないという。受賞する作品は、1次審査の中でも突出しているのが判るそうだ。作品ではそこに至る方法は書かれていないが、僕は知っている。

読み続け、書き続け、考え続ければ、いつかその地点を通過することができるだろう。



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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

創作を続けるためのモチベーション維持について

自分を含めて、なぜ創作を続けるのか。

日常生活を親に依存している時代は、ただ好きだからする。
ひとり立ちする時期が近づくに従い、自分は創作以外で金を稼ぐことができるのかと不安になる。おそらく、この時期がもっとも創作のために自分で自分のケツを叩く時代である。あわよくばプロの端くれになることを目指す。

しかし、99%以上は現実と折り合いをつけ、就職をする。

生活を維持するための仕事に一日のほとんどを使う。

にもかかわらず創作を続けるひとがいる。

趣味だから。
まだ創作で稼ぐことをあきらめていないから。
創作せずにはいられない情熱が消えないから。

まだほかにもあるかもしれないが、人生の終わりまで創作を続けるのはどのタイプだろうか。

僕は、趣味だから、のひとだと思う。

稼ぐことをあきらめないひとは、いつか創作より今の仕事のほうが稼げることに気づくだろう。
情熱が消えない人は、息切れをするときが来るだろう。

なぜ創作をするのか。
損得を度外視するどころか、創作のために投資さえする「趣味」という位置づけこそが、結局は質の高いものを継続的に作れるのではないかと思う。



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テーマ : 今日のつぶやき。
ジャンル : 日記

凡庸な登場人物はひとりとしていない。 ガルシア・マルケス「百年の孤独」



(小町娘のレメディオスは)粗末な寝巻の下には何も着ていないことがあまりにも明らかだった。誰もが、その形のよい坊主の頭はまさに挑戦であると、また、暑さしのぎに太腿が見えるほど大胆に裾をまくったり、手を使って食事をしたあと気持ちよさそうにゆびをしゃぶったりするのは、罪深い挑発でなくてなんだ。(246ページ)

ブエンディア一家の作った村が100年かけて滅びるまでの話。

冒頭を読むとアウレリャノ大佐が主人公に思えるが、ほとんど母親のウルスラの人生と重なっている。

このブエンディア一族は全員キャラが立っていて、特に小町娘のレメディオスが素敵だ。すぐいなくなってしまうが。



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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

ラテン系は精力絶倫。 ガルシア・マルケス「コレラ時代の愛」



結婚生活で生じる問題というのは、毎晩愛し合ったあとにいったん解決されるけれども、毎朝、朝食の前にまたしても頭をもたげてくるものなのだ。(304ページ)

まず、文字が多い割には読みやすかった。 フロレンティーノ・アリーサとかフェルミーナ・ダーサとか登場人物の名前は必ずフルネームで書いてある。外人の名前の場合、フルネームで書いてくれた方が判別しやすい。

あとがきには、フロレンティーノ・アリーサは生身の人間が実行しうる永遠の愛を証明したみたいなことが書いてあったが、文中には

「人は同時に何人もの人と、それもだれ一人裏切ることなく、同じ苦しみをあじわいつつ愛することができるのだ」

とフロレンティーノ・アリーサの考えが述べられているところがあり、現代日本人には彼が永遠の愛の体現者とは理解しにくいのではないだろうか。

それにしても、ラテン系は70歳を過ぎても枯れないのがすごい。



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テーマ : 読んだ本。
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Author:原田 修明
小説を書くオッサン。
少なくとも、一生書こうとは決めた。

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