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自由の最終形は孤独である。檀一雄「火宅の人」



もし、万般のいつわりを以てしなかったら、男女は僅かに一週間の共存にも耐え得ないのではないか。いつわりと言うのが言い過ぎだとしたら、生活術だ、愛だ、いや、愛の隙間を糊塗する生活の技巧である。

最後の無頼派と呼ばれる檀一雄の私小説。

よく見るのが「檀一雄が半年も海外旅行をしている間に子供たちは鶏のエサを食べていた」というものだが、それは「火宅の人」の時系列を無視したつぎはぎである。

放埓に生きることが真の自由であると信じ、ほとんど我慢というものをしない思うがままの生活をする。
浴びるほど酒を飲み、何人も愛人を作り、好きなだけ放浪する。

にもかかわらず、自分の求める自由とは放浪の中の孤独であると気づく。
子供は5人作るし、愛人には惜しみなく金を与えて自分からは決して別れを切り出さず、友人を呼んで大騒ぎするのが大好きである。

基本的に優しいひとなのだろうが、欲望に従えば従うほど、自分が真に求める自由、すなわち孤独からは遠ざかっていることも自覚している。

文中にはあまり書かれないが、これだけの生活を維持するためにどれほど執筆しているのかと計算してみると、放埓はただの息抜きではないかと思えてくる。
愛人と数か月旅行に行く際も、ちゃんと仕事は持って行って旅先から郵送するのだ。

少しだけうらやましいとも思うけれども、僕だったらきっと疲れ果ててしまうだろう。
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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

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