人間の持つ美質こそが戦争を招いている。 石川明人「戦争は人間的な営みである」



私たちは、「命こそすべて」という生き方をまったく完全に貫けるほどシンプルな存在でもないのだ。(69ページ)

大東亜戦争について否定したり肯定したりの本はよくあるが、これは「戦争」そのものを人間的な営みと規定している。

戦争はヘルシングの少佐みたいな戦争狂が始めるのではなく、「良く生きる」「正しく生きる」「美しく生きる」ことを人間が求めるからこそ、自分や仲間の命を危険にさらし、見ず知らずの人間を殺すことができるのだと言う。

また、現在の平和運動が第二次世界大戦のような形態の戦争を想定していることは的外れであるという。現在および未来についていかなる戦争が生起するかを考察したうえで、そういった戦争に対する反対を述べるためにも軍事や戦史を積極的に学ぶ必要があるとのこと。

よく出てくる甘っちょろい平和主義者に対しては、「人間を暴力なしで秩序を維持できる存在だと考えるのは、平和主義と言うよりはむしろセンチメンタルな思いあがりである」と厳しい。

また、物語を書く者としては「戦いたくないけれど、戦わなくてはいけないというシチュエーションが戦争に物語性を与える」というところに注目したい。

軍事そのものの本と言うより、戦争を哲学的に考察したものと言った方が近いと思う。文章的にはかなり砕けていて読みやすかった。大学の先輩と知って意外だった。



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