極上のからくり箱。 伊坂幸太郎「ラッシュライフ」



「おまえの人生がどうなっても知らんぞ」
そこで豊田は苦笑した。肩に入っていた力がすっと抜けた。「いえ、すでに人生はどうにもなりません」
無意識に拳銃を取り出していた。周りも見ずに相手に拳銃を向ける。「構わないでください」(449ページ)


群像劇である。

それぞれのキャラの時間軸が少しづつずれているのがうまいと思った。

伊坂幸太郎の最も好感のもてる点は、伏線を必ず回収しきるというところ。今回は、それぞれの物語がそれぞれの伏線、断片となっていて、終盤ああこのことだったのかと判る。

おそらく、最初メインで考えたのはバラバラになった死体がくっつくと言うところだと思うが、それだけで話を進めるなら河原崎と京子の話だけでいい。豊田と黒澤の話が相関関係が深く、いうなればこのふた組の話を少しづつ重ねて「ラッシュライフ」ができている。

バラバラ死体が歩くミステリーと、リストラ親父の成長物語を非常に精緻に融合させていて、群像劇に挑戦したくなる。



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