破獄という才能だけを持って生まれた男。 吉村昭「破獄」



佐久間は、毎日の食事の折に味噌汁を少し飲みのこしては湯のみ茶碗に入れ、それを看守の眼を盗んでは手錠のナットにたらすことを繰り返した。味噌汁に 含まれた塩分がナットを酸化させ、やがて腐食してゆるみ、引きぬくことができたのだ。(176ページ)

類稀な運動能力と知力を使って、四度の破獄に成功した男と、看守たちの攻防のほぼノンフィクション。

合鍵を作ったり、壁を上るのは朝飯前で、ナットで留められた鉄製の手錠まで自力で破ってしまう。心理戦にも長け、看守たちはだんだん男に委縮するようになりあやしい動きをしていても指導できなくなっていく。

犯罪者にならなければ、英雄と呼ばれる人物になったかもしれない。

破獄の方法がとてもインスピレーションを掻きたてた。終戦直後の混乱期の様子も興味深かった。



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