冒険小説の王道にして完成形。 山田風太郎「風来忍法帖」



「虫みたいな一生だったが、たったひとつ、おれたちはすばらしいことをやった! そうは思わねえか?」(644ページ)

7人のそれぞれ異能を持つ香具師が、気の強い姫に惚れて強大な敵と命をかけて戦うという、王道ストーリー。

とは言うものの、さすがは山田風太郎で、並外れた巨根を持つ以外には何のとりえもない男や、快感が頂点に達すると脳天から突き抜けるような声を出すだけの男といった、エンタメ作家としてどう使っていいのか判らないキャラクターを仲間に入れている。 ところが終盤、彼ら無くしては目的を達成することは決してできなくなるのだ。

戦中派不戦日記に明白だが、山田風太郎は身体が弱く、同級生が戦場で次々と倒れていくのに、自分は医学生をやっていることに罪悪感を覚えていた。 自己犠牲によって仲間を救うキャラクターが多いのは、もしかしたら彼の願望だったのかもしれない。



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