夢を追い続け、自分を信じ続けることはかくも厳しい。 鯨統一郎「努力しないで作家になる方法」



タイトルのあとに「~は存在しない」が省略されているとしか思えない。
小説家を志して17年、鳴かず飛ばずでデビューできず、家族を抱えているが「今いるここは俺の居場所ではない」と信じ続け、ほとんど困窮生活に等しい小説を書き続ける生活。

よく奥様が許してくれるものだと思う。
我が家なら小説家になりたいので、自分を追いこむために定収入のある今の仕事を辞めたいなどと言ったら、即緑色の紙を叩きつけられるだろう。
「あなたの夢であなたが追いこまれるのは勝手だけど、家族まで巻きこまないで」と言われるのがオチである。

決して夢を捨てない主人公より、ときどきあきらめムードになりながらも亭主の夢に殉じようとする奥様が、現実味がない。こんな女房はいない。
けれども、自分だったら家族を夢に巻きこんで苦労させる罪悪感に耐えられないかもしれない。

まあ、定収入があるおかげで美麗な表紙を頼めたり、限られた時間を効率よく使おうと意識したり、職場でなければ得られない経験や出会えない人もいたりして、思えば悪くない。なにより、暮らしに困らないということで得られる精神的安定が大きい。

背水の陣は、敵を突破できなければ全滅か溺死である。突破できる公算が立つまで、雌伏の時代でいいのではないか。



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