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説明即ネタバレの驚愕小説。 道尾秀介「シャドウ」



(ネパールでは)ニョンパと呼ばれる、精神的な障害を持つ人々が、去勢の仕事をするんだ。その光景を目の当たりにした学者は、村の長老に訊ねた。どうして彼らに去勢をさせるのかと。
すると長老は、にやりと笑ってこう答えたそうだよ――
――だって、奴らには地獄がないじゃないか――(178ページ)


この作品はミステリーに区分されているけれど、違う物語だと思う。どういう物語かと書いてしまうと、それだけでネタバレになってしまう。

久しぶりに、詳細に分析したくなった本だった。大きくは3つの謎があり、最も大きな謎に2番目に大きな謎とエサと言うべき謎が付随している。ただ、終盤まで読まないと一番大きな謎の存在にはきっと気づかない。僕は気づかなかった。

うまいと思ったのは、凰介に誤解をさせてそれを読者の誤解にしたり、ひとつのセリフの中の目立つ部分に相手が反応したと思わせたり、意図的に時間を飛ばしたり、「それは嘘ではないが今は違う」表現をしたりと読者をミスリードさせる工夫がいくつもこらされているところだ。

ネタバレ反転

特に、亜紀を犯したのは彼女の父親か凰介の父親かとほのめかすような伏線が当初から仕込まれているのに感心した。 

ネタバレ反転終わり

再構築してみて推測するに、たぶん心を病んだ人の視点はそれだけで読者を騙せるのではないかと言うアイデアが最初にあったのだと思う。それにひねりを加え、それをしなければならない動機を考えれば、あのキャストは必然だと理解できる。

読んで面白く、分析してためになる最高の読書だった。



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